これから漫画やイラストの絵を勉強したいけれど、どこから始めたらいいかわからない。
とりあえす自己流で練習を始めたけれど、この方法でいいのか不安。
私が子供のころからずっとやってきた方法をお伝えします。
大好きな作品が先生です
子供の頃、大好きなアニメや漫画のキャラクターを自分で描きたくて、何度も模写していました。
「タッチ」のあだち充さんの線が好きで模写してみたり、柔ちゃんの大ファンになった時は浦沢直樹さんの「YAWARA!」を模写しました。
「エウレカセブン」、「ガンダム Gのレコンギスタ」のアニメーター、吉田健一さんの絵が好きで、アニメの設定資料集を模写しました。
漫画やイラストを描いてみたいと思ったなら、あの漫画家さんやイラストレーターさんのような絵を描いてみたい、という憧れの気持ちがあると思います。
その憧れの絵があなたの先生です。
大好きな漫画家の漫画の単行本、大好きなアニメの設定資料集、大好きなイラストレーターの画集など、こんな絵が描きたいと思う絵を用意して模写しましょう。
あの漫画家が絵が上手いと言われているからとか、あの絵師さんの絵が人気だからとか、そういうのではなくて、あなたの好きな絵が手本です。
大好きな人の作品だから、練習するモチベーションも上がりますし、大好きな作家さんみたいな絵を描けるようになることが、あなたの目標だからです。
もし好きな作家さんがたくさんいて、どの人を手本にすればいいか迷う方は、まずは好きな作家さんを一人に絞って模写するといいと思いますよ。
はじめのうちは写真の模写で練習しない
どうせ模写をするのなら、写真の模写の方が効率的なんじゃないの?
イラストの練習法を検索していて、写真を模写して練習する方法をご存じの方もいると思います。
確かに、人物の顔や体、髪形、服のシワなど、実際の人や物を写した写真で見ると、いろいろ学べることが多いです。
だけど、写真を模写する練習法は、漫画やイラストの絵を学び始めたばかりの方にはむずかしい思います。
その理由は、複雑な線をどのように選んでどのように描けばよいか、まだよくわかっていないからです。
例えば、服のシワを模写しようとすると、複雑なシワの線からどの線を描いてどの線を描かない方がいいのか、線の選択に迷ってしまいます。
また、写真を見ながら髪を描く場合、髪の毛の線一本一本を丁寧に描いてしまうとデッサンのような絵になってしまいます。
漫画家さんやイラストレーターさんたちは、自分自身の描き方を持っていますので、どの線を描いてどの線を描かないか、線を単純化したり省略したりすることができます。
プロの漫画家さんやイラストレーターさんの絵を模写すると、どんなふうに線を単純化したり省略して描いているかを学ぶことができます。
なにより、あこがれの絵を描いて練習する方がやっぱり楽しいです。
絵を学び始めたうちは、むずかしい練習法ではなくて、自分が楽しく続けられる練習がおすすめです。
写真を模写する練習はもうちょっと後になってからにするとよいと思います。
消しゴムで消したカスの量だけうまくなる
パソコンで絵を描くのは便利です。
間違ったところを何度でも修正できるし、コピペも簡単。
だけど、イラストの練習には、紙と鉛筆、シャーペンなど、アナログで描くことをお勧めします。
パソコンのお絵描きソフトやペンタブは、慣れるまで少し時間がかかりますが、紙と鉛筆ならすぐに練習を始められます。
また、お絵描きソフトには、小さいところを拡大する虫メガネ機能というものがあります。
例えば、キャラクターの目の部分を虫メガネ機能で拡大して、瞳の中の細かい光の粒などを描いたりと、細かい描写をするときに便利です。
ただ、絵を学び始めたころは、全体のバランスをつかめないので、虫メガネ機能で拡大して描くと、絵の一部分しか見ないので視野が狭くなり、絵のバランスがとりずらくなります。
便利な機能も、初めのうちは上達の妨げになることもあります。
パソコンを使って楽しくお絵描きするのもいいですが、紙と鉛筆を使って練習してみてください。
間違ったら、消しゴムで何度も消してみてください。
消しゴムで消したカスの量だけ絵は上手くなるというのが、私の持論です。
小さなキャンバスで描いてみる
あるテレビ番組で、絵の上手い芸能人の方たちが、大きな黒板にチョークで絵を描いているのを見ました。
黒板全体が見える位置まで何度も後ろに下がって、絵の全体のバランスを確認していました。
大きなキャンバスになるほど、全体のバランスをとるのがむずかしく扱いづらくなります。
大きいキャンバスに大きく描きすぎて、バランスがうまく取れないと感じていたら、小さいキャンバスで絵を描いてみてください。
ハガキや漫画の単行本のサイズくらいが、ちょうどいいかもしれません。
例えば、A4サイズのスケッチブックを持っていたら、その中に線で長方形の枠を作って、それをキャンバスにします。
自分が描きやすいと思えるようなキャンバスを作ってみてください。
的を絞って一転突破
顔の描き方、髪の描き方、手と足の描き方、全身ポーズ、服の描き方、服のシワ、人体解剖学・・・。
こんなにたくさん勉強しないといけないなんて、自分にはイラストなんて無理!
描けないものが多すぎて、情報の量に圧倒されて焦ったり悩んだりしたことがありました。
私が子供の頃は、インターネットはないし、イラストの描き方の本もほとんどないので、目の前にある大好きな漫画の単行本やアニメ雑誌を模写するしかありませんでした。
だけど、絵を描き始めたころに、学ぶものが限られていたことは逆によかったのかもしれません。
あれこれと手を広げて絵の上達を感じられないなら、学ぶものを限定して的を絞ってみてください。
この絵師さんが描くキャラクターってかわいい!顔のパーツはどんな比率になってるんだろう?
キャラクターのかわいさの秘密を求めて、一人の絵師さんに決めて、とことん同じキャラの顔ばかり模写したこともあります。
自分が今、描けるようになりたいものに集中して練習すると、集中して学んだところは間違いなく上達します。
的を絞ったところがある程度できるようになったら、ほかの物に的を絞って同じよに練習していく。
それを繰り返していると、上達が実感できるようになると思いますよ。
練習もいいけど、ラクガキもね
勉強でも、インプットしたらアウトプットが大事とよく言われます。
イラストでも同じで、模写して学んだら自分なりにラクガキでもいいので描いてみましょう。
まだ下手なのに、いきなりアウトプットできないよ!という声が聞こえそうですが、ラクガキでいいので、手を動かすだけでも、線に慣れるのでいい練習になります。
まだ上手く描けなくても、どんどん自分の絵を描いてください。
インプットの練習ばかりじゃつまらない!
練習は自分の作品を描くためにあるんだ!
楽しく!
素晴らしいアニメや漫画をたくさん見過ぎて、やたら目だけは肥えているので、絵を描き始めたころは、描けないことが多くて焦ることもあるかもしれません。
絵を描く楽しさを忘れずに、お互い焦らず楽しく練習していきましょうね。
少しでも私のイラストを学んできた経験がお役に立てれば幸いです。